番外編:“ふるさとは語ることなし”=坂口安吾文学碑

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坂口安吾文学碑(新潟市寄居浜)
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涅槃(ねはん)大学校という誰でも無試験で入学できる学校の印度哲学科というところへ、栗栖按吉(くりすあんきち)という極度に漠然たる構えの生徒が、恰(あたか)も忍び込む煙のような朦朧(もうろう)さで這入(はい)ってきた。強度の近眼鏡をかけて、落着き払った顔付をしているから、何かしら考えている顔付に見えたが、総体に、このような「常に考えている」顔付ほど、この節はやらないものはない。
(『勉強記』)


東洋大学の学生だつたころ、丁度学年試験の最中であつたが、校門の前で電車から降りたところを自動車にはねとばされたことがあつた。相当に運動神経が発達してゐるから、二三間空中に舞ひあがり途中一回転のもんどりを打つて落下したが、それでも左頭部をコンクリートへ叩きつけた。頭蓋骨に亀裂がはいつて爾来二ヶ年水薬を飲みつゞけたが、当座は廃人になるんぢやないかと悩みつゞけて憂鬱であつた。
(『天才になりそこなつた男の話』)


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中学校をどうしても休んで海の松林でひつくりかへつて空を眺めて暮さねばならなくなつてから、私のふるさとの家は空と、海と、砂と、松林であつた。そして吹く風であり、風の音であつた。
(『石の思ひ』) 




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私は今日も尚、何よりも海が好きだ。単調な砂浜が好きだ。海岸にねころんで海と空を見てゐると、私は一日ねころんでゐても、何か心がみたされてゐる。それは少年の頃否応なく心に植ゑつけられた私の心であり、ふるさとの情であつたから。
(同じく『石の思ひ』)










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